アウトソーシングの導入が
社員の生産性向上と、風土改革のきっかけに

アネスト岩田株式会社
常務執行役員 経営管理本部
本部長

三好 栄祐様

アネスト岩田株式会社
経営管理本部 人事総務部
部長

和田 真志様

アネスト岩田株式会社
経営管理本部 人事総務部 総務グループ ES推進チーム
チームリーダー

佐藤 なぎさ様

※2021年4月時点

受付
総務庶務
  • 受付業務と総務庶務業務を組み合わせ、業務の効率化を実現
  • より付加価値の高い業務に注力する時間を創出
  • アウトソーシングの導入が、会社の風土を変えた

中長期の経営ビジョンを再構築している
タイミングでコロナ禍に見舞われた

---御社の業務について教えてください。

三好様 アネスト岩田株式会社は94年の歴史がある産業機械メーカーで、空気圧縮機(エアコンプレッサ)、真空機器(真空ポンプ)、「スプレーガン」を代表とする塗装機器及び液圧機器、塗装設備などの製造・販売を手がけています。
「エアコンプレッサ」は電車やバスの扉の開閉をはじめ、医療現場(総合病院や歯科など)、生産現場(工場)などありとあらゆる場所で、動力源として一般的に使われています。「スプレーガン」は、自動車や新幹線の塗装から携帯電話、パソコン、家具、ネイルに至るまで、ホビー・アート市場でも幅広く用いられています。製品シエアは国内トップ、世界2位の実績です。
また、こうした機械製造で業界をリードするだけでなく、開発型企業として、世界初・日本初の製品を数多く世に送り出しています。

ただし、今後は海外市場を攻略しなければこの先の成長はありません。創業家である岩田家が社是として1926年以来かかげてきた「誠心(まことのこころ)」で日本のモノづくりに貢献してきましたが、創業90周年を機に、「真のグローバルワンエクセレントメーカーになる」とあらたなビジョンを策定し、まい進しているところです。

---総務グループの業務内容について教えてください。

和田様 私が所属する総務グループで今中心に行っているのは、健康経営推進と新型コロナウイルスの感染予防対策です。

佐藤様 私も総務グループに所属しており、ES(Employee Satisfaction 従業員満足度)推進チームのリーダーをしております。健康経営に加え、社員の福利厚生に携わっているチームです。

三好様 私は経営管理本部長で、人事総務に加え、経理と法務、海外販売などの統括をしています。

---コロナ禍における御社の状況はいかがでしょうか?

和田様 当社では3密を防ぐため、新型コロナウイルスの感染が拡大した4月から6月は出社率を30%まで落とし、緊急事態宣言が解除された時点で50%まで戻しました。

三好様 緊急事態宣言下では出社した社員をA・Bの2グループに分け、執務スペース、トイレ、歩いていい通路、食堂など細かいところまで分けて、お互いのグループが一切接触しないようにする対応を取りました。

和田様 ほかには社員の通勤手段を電車から自動車通勤へ切り替えの奨励と、自動車を持っていない社員への営業車の貸し出しをおこないました。また、自動車通勤ができず、公共交通機関の通勤で危険エリアを通らざるを得ない社員には、宿泊できるように社内にある研修センターの提供などをおこなっています。

また、テレワークで心配されるコミュニケーション不足の解消のために、ネットで接続してグループランチをとる「Webランチ会」の食事代を会社で負担しました。さらに社員に一律に感染予防費と、テレワーク準備や光熱費に充てられるよう補助金を支給しています。

---コロナ禍で発生した課題はありましたでしょうか?

三好様 テレワーク制度は、コロナ禍以前から子育てや介護をする社員のために導入しようと動いていました。しかし当社の工場の製造ラインにはどうしても人が立たないといけないため、テレワークを全社員一律にすると、不公平感が出てしまいます。

また、コロナ禍で一番課題になったのは、部下のマネジメントとアウトプットの出し方です。当社は個でアウトプットを出した集合体が業績に繋がるのではなく、チーム全体でアウトプットを出して、それを業績に結びつける会社だと考えています。

当社は主目的である3密を避けるという点では恵まれており、構内には分散して業務を行う十分なエリアを確保できます。また、自動車通勤と社の営業所や研修センターからの出勤、朝6時45分出社で15時半退社というような時差出勤などを積極的に奨励して、対策をしています。なお、緊急事態宣言発令時はさらにスマイルホリデー(有給休暇)取得奨励や半数以上のテレワークを実施し、感染予防対策を強化しています。

---経営層の方から見た今後の見通しをお聞かせいただけますでしょうか?

三好様 コロナ禍で当社が一番良かったと思うのは、経営体制を変えるきっかけになったことと、中長期のビジョンを再構築するための取り組みが始まったことです。

当社では2年前から「ブルーオーシャン100プロジェクト」を始めており、今の時代に合わせて販売方法を変えようとしているところです。業界では商品に限って言えば、ブルーオーシャンは存在しないと感じています。

今後、スタジオ設備をリニューアルし、動画撮影と説明会、パネルディスカッションができるようにする予定です。また当社の製品を撮影してBtoCサイトを作り、お客様にオンラインでご覧いただける仕組みを作る予定です。

しかしながら、自動車メーカーから依頼される内装塗装にはクオリティが求められますし、塗装テストとその確認はWEBではできません。汎用品はWEB販売で徹底的に効率化を図り、それ以外の製品はお客様の依頼に沿ってテストの上、当社でご確認いただく必要があります。また、受注に結び付けるため、来訪者様へのおもてなしも重要な要素です。

総務グループ社員による
受付業務フォローが大きな負荷に

---アウトソーシングを導入する前の課題感についてお聞かせください。

佐藤様 受付業務は当社の社員が対応していました。1名受付担当者がいましたが、お客様が訪問する施設が敷地内に点在していることもあり、同じ時間に来客が集中したときは総務グループ社員が応援に行くようにしていました。

そうすると、本来実施すべき業務に支障をきたし、総務グループにとって大きな負荷になっていました。また、受付担当者はお休みを取りにくいことがプレッシャーになっていて、なんとかこの課題を解消したいと思っていました。

---アウトソーシングを導入する経緯やきっかけをお聞かせください。

佐藤様 受付担当者の人事異動をきっかけに、受付の運営方法を検討することになりました。

派遣社員の場合だと当社で教育が必要ですが、私たちは受付業務についてプロではないので適正な教育は難しいと感じていました。さらに当社は施設をリニューアルしたこともあり、受付の接客の品質も高めたいとも考えていました。

そのため、業務委託として受付をお任せし、しっかりと教育を受けた方を配属してもらうのがベストだと考えました。

---総務庶務業務もアウトソーシングしようとお考えでしたか?

佐藤様 受付の方には来客が少ない時間帯に総務庶務業務を手伝ってほしいと、以前から考えていました。
三井不動産ビルマネジメント株式会社(以下「MFBM」)は、受付業務の隙間時間を有効に活用した総務庶務業務の実施体制を構築されており、とても魅力に感じました。
また派遣会社とサービス内容を比較すると、業務委託のMFBMではスタッフに対する丁寧な教育や綿密なマニュアル作成をお任せすることができることも、アウトソーシングの導入の後押しとなっています。

業務の立ち上げもスムーズだった

---業務の立ち上げにあたって、御社はどのような対応を行いましたか?

佐藤様 受付業務と合わせ、総務庶務業務をどの範囲までお任せできるかを、MFBMの現場運営担当者と営業担当者に相談の上、決定しました。受付は当時の担当者からMFBMへ引継ぎをし、総務庶務業務はそれぞれの担当社員からMFBMに対して従来のマニュアルをもとに引継ぎを行いました。

当社のマニュアルは内容的に不十分でありましたが、MFBMに話を聞き取っていただく中で、誰でも対応できるようなマニュアルに仕上げていただきました。
導入期間は委託先選定に約2ヶ月、導入を決めてからは約2ヶ月で業務を開始できました。

三好様 当社であまり体制を整えなくても、プロジェクトを立ち上げることもなく簡単に導入できてしまったのが本音です。また、何か別途システムを導入しないといけないということもなく、とてもやりやすかったです。

---アウトソーシング導入にあたって、不安に思われたことはありましたか?

三好様 業務開始日までに採用が間に合うか不安でしたが、全く問題ありませんでした。求人サイトを経由してSNSを活用した採用も行っており、多様なツールを駆使するのだと感心しました。またスタッフの入れ替えがあっても、教育と研修体制のしくみがしっかりされているので、サービスレベルが落ちません。

佐藤様 実際に導入当時とはメンバーが変わっていますが、当社は引継ぎには全く関与していません。

三好様 以前でしたら、受付担当者が辞めるとなると、次どうしようと大慌てでした。今は次の人大丈夫かなとか、全く心配する必要がありません。

---MFBMを選定した決め手は?

佐藤様 人海戦術で頑張るという業務委託の会社もありましたが、そこには安心してお任せできないと感じました。

三好様 私はシステム化することにこだわりがあり、経営課題でもあります。気合いと根性で頑張るとか、人に依存するのがあまり好きではありません。

営業1つとっても私が理想とするのは誰が行っても変わらない、一律のサービスを提供することだと考えます。それに対しMFBMは運営体制をしっかりとシステム化できているので、良い会社にお願いしたと思っています。

佐藤様 MFBMは欠員発生時のバックアップ体制がすごいと感じます。バックアップ専門のスタッフが本部に待機していて、万が一スタッフが急病になっても現地に駆けつけてくださる。MFBMが依頼主の業務に穴を開けないよう手厚い体制を構築されていることが感じられて、信頼できると思います。

他にも何社かお話を聞きましたが、当時はそこまでのバックアップ体制を確立している会社は見当たりませんでした。派遣会社で業務委託をお願いできる会社もありましたが、MFBMが最も安定的に現場を運営できる会社だと思いました。

欠員が発生することは論外であり、欠員発生時に私たちがヘルプするのであれば今までと何も変わりません。私たちはもっと新しいこと、企画的業務などに注力したいと考えているので、MFBMには受付業務だけでなく、総務庶務業務も含めてお任せしました。

受付業務と総務庶務業務を組み合わせた
効率的な運営体制

---MFBMに委託して、良かった点をお聞かせください。

三好様 新任のスタッフでも短期間のうちに業務ができるようになるための教育、研修のノウハウが素晴らしいと感じました。当社が教育を自前でやろうとすると、抜けもあるだろうし時間もかかるでしょう。当社でもこれから教育と研修には力を入れていきたいと考えているので、参考に聞かせていただきたいと思うくらいです。

費用対効果と労働生産性の向上を考えると、自前でやるよりもMFBMにお願いした方が安上がりです。非常に良いサービスを、低コストでご提供いただいています。

以前は総務グループで一日の業務を進めていく中で、「今日の受付は大丈夫か」と心配事の一つでした。今はそれが全くなくなりました。

佐藤様 MFBMには総務庶務業務において事務処理も担っていただいています。2020年度は特に感染症対策含む健康経営の推進に注力する時間を創出することができ、とても助かりました。

和田様 受付では来訪者様におもてなしをご提供できていると感じています。さらに、社員はお客様をお招きすることに喜びを感じているのではないでしょうか。MFBMに業務を委託したことで、エンゲージメント向上にも繋がっています。

三好様 社長からも受付の体制をしっかり整えたので、お客様をどんどん呼んでおもてなしができるよう、受付の次は社員のマインドを変えていこうと話がありました。今後は、受付スタッフと社員が一丸となって、来訪者様により高いおもてなし品質をご提供することを目指していきます。

---アウトソーシング導入後、業務の効率化などに効果はありましたか?

三好様 「ブルーオーシャン100プロジェクト」では、徹底して生産性の向上を目指し一つ一つの業務を細分化して、定型化できる業務をアウトソーシングしました。
社員には、削減した時間を活用し、より付加価値の高い仕事に注力してほしいと考えています。また同じスタッフに受付業務と総務庶務業務をトータルでお願いすることができるので、費用対効果はとても高いのではないでしょうか。

佐藤様 当社は午前10時と11時、13時~15時までが来客のピークです。受付スタッフは、来訪者様の状況を見ながら、1日3~4時間程度総務庶務業務を行っています。
これにより、生産性が上がっただけではなく、社員の時間外労働の削減にも繋がりました。

---スタッフの勤務姿勢などはいかがでしょうか?

和田様 スタッフはトラブルが発生しても慌てずに落ち着いて対処してくださっています。

佐藤様 備品の在庫切れや機器の故障、会議室の利用マナーなど細かい点にもよく気を配り、速やかに報告いただいています。

三好様 報告だけではなくて、提案もしてくれますよね。

和田様 来客が落ち着いた時間には、総務庶務業務をより多く行ってくれるなど、臨機応変に2つの業務のバランスを変えてくれています。都度状況に応じて、スタッフ自らが機転をきかせ効率的に業務を行ってくれているので、素晴らしいサービスと感じています。

アウトソーシングが会社の風土改革の
きっかけに

---アウトソーシング導入後、社内の評判はいかがですか?

三好様 社内ではとても評価が高いです。以前の社員や久しぶりにお越しになった方は、どうしちゃったのかとびっくりしています。私が入社した頃とは、もう別の会社のようになりました。

今は中期の経営改革の中で「風土改革ネクストステージ」のキャッチコピーを掲げ、さまざまな取り組みを進めています。
社員がいきいきと働ける環境、なおかつ来訪者様をおもてなしする環境をとりあえず形から整えるため、施設をどんどんリニューアルしました。しかし結局形だけできても、社員のマインドが伴わないと何も変わらず、風土改革に向け、社員に対する教育やマインドセットが必要になりました。

そのような状況において、受付業務をMFBMにお願いしたところ、会社の風土が変わるきっかけを生みました。受付は会社の顔ですから。MFBMがしっかりと教育したスタッフの素晴らしい応対が社員にも影響を与え、当社のマナー意識にも効果があったと感じています。風土改革において、MFBMの受付は重要な役割を担ってくれました。

佐藤様 社員も、自分も恥ずかしくないようにという気持ちが働きますよね。

---経営層の方々の評判はいかがでしょうか?

三好様 高い評価を得ています。コロナ禍でお客様が全く来なくなったとき、社内で受付業務を継続すべきか議論になりましたが、社長と経営陣の方針のもと、やめるべきではないとの意見で満場一致でした。以前だとコスト削減の観点から、まず有人受付をやめようとなったでしょうが、そうはなりませんでした。

今は時代の大変革期で、業績拡大のためには企業風土を改革する必要があると考えています。風土は普段の会社生活で、少しずつ醸成されていくものです。施設リニューアルと合わせ、受付業務をMFBMにお願いし、社内の雰囲気も変わりました。ゆくゆくは会社の風土として醸成されていくと思います。

お願いしたのがMFBMでよかったです。他社に頼んでいたら、数年かけても実現できなかったのではないでしょうか。

総務の課題解決が業績拡大と社員の幸せに繋がる

---MFBMに今後期待されていることはありますか?

佐藤様 MFBMスタッフのマナーが素晴らしいので、社員向けのマナー研修にもご協力いただけないかと考えています。またショールーム内のアテンドなど新たな受付スタイルの構築をご相談してきたいです。

また、総務庶務業務に関しては、今後総務以外の部門の業務にも範囲を拡げていき、会社全体の生産性向上にもご貢献いただきたいと思っています。

和田様 素晴らしいマニュアルづくりのノウハウを活かしていただきたいですね。

三好様 当社はリーマンショック以降、小さな本社を目指し、バックオフィス部門の経費を最小化してまいりました。しかしながら、現在これだけ経費をかけているのは、バックオフィスの活動が最終的な会社の業績拡大に繋がると考えているからです。

総務の課題を解決すれば、業績拡大、そして社員の幸せにも繋がっていくと考えています。総務の課題解決に向け、MFBMとはビジネスパートナーとして今後も協力していきたいです。

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