Project Story

「ビジネスシーンの明日を変えていく」
ブランドビジョンの実現のために
プロジェクトに挑んだ
社員たちの仕事を紹介します。

日本橋室町三井タワー(コレド室町テラス)
プロジェクト

2019年3月28日に竣工した「日本橋室町三井タワー」は、日本橋再生計画第2ステージの旗艦プロジェクトに位置づけられる日本橋エリアの新たな顔。地上26階、地下3階、延床面積約16万8,000㎡を誇る大規模複合ビルは、ビジネスからエンターテインメントまで多様なイベントを開催できる「室町三井ホール&カンファレンス」のほか、フィットネス、ラウンジ、貸会議室を備えたテナント企業向け会員制施設「mot.三井のオフィス for Tomorrow」があり、両施設は当社が運営を手掛けている。

Overview

三井不動産が誇る大型複合ビル「日本橋室町三井タワー」。当社はオーナーに代わりビル経営を担うだけでなく、オフィスエリアに入居するテナント企業、また外部の一般企業に対しても、さまざまなソリューションサービスを提供しています。それぞれがどのように連携し開業に至ったか、プロパティマネジメント(PM)とソリューションサービスの立場から、日本橋室町三井タワーの立ち上げに携わった3人に話を聞きました。

Project Member

  • オフィス事業推進本部
    日本橋室町三井タワーオフィス
    (PM担当・チームリーダー)

    荒木 哲平

  • ビジネスソリューション事業推進本部
    ミクストシーングループ
    (ホール&カンファレンス担当)

    石井 真由美

  • ビジネスソリューション事業推進本部
    ミクストシーングループ
    (mot.担当)

    陣内 太一

相次ぐ大規模物件の開業の最中にプロジェクトがスタート

相次ぐ大規模物件の開業の最中に
プロジェクトがスタート

荒木
私と日本橋室町三井タワーとのかかわりは2017年4月頃から。当初は事業主でもあり、ビルオーナーでもある三井不動産の担当者やゼネコンなどの関係者と図面を挟み、ビルの運営・管理の観点や、ビルを利用する側に立って、問題になりそうな箇所はないかなどをチェックするところからかかわりました。正式にビル全体のPM担当になったのは、2018年の4月1日からです。2人のプロジェクトへの参加も同じタイミングでしたね。
陣内
そうですね。私も同じくらいのタイミングでテナント企業向け会員制施設「mot.(モット)」の担当としてプロジェクトに参加しました。
石井
私がこのプロジェクトにアサインされたのは、同じ時期で別の施設の立上案件に関わっている時でした。立て続けに立上施設の立上プロジェクトにアサインされ、「よし!」とやる気になったのをよく覚えています。
荒木
この数年、規模が大きいビルの開業が続いているからね。やっぱり三井不動産グループの旗艦ビルである日本橋室町三井タワーのプロジェクトだから力が入るよね。
石井
ええ。「どんなプランにしようか」いろいろアイデアを練っていました。
陣内
たしかに気合は入るよね。ただそれだけじゃプロジェクトは進まない(笑)。私たちのチームは「mot.」の第一号店である、日本橋髙島屋三井ビルディングのオープンを2018年12月に控えていました。2つの現場立ち上げを同時に進めていましたし、工事が進むにつれて設計図ではわからなかった課題も見えてきて・・・現場の対応をしつつ、運営面を含めた開業準備をするわけですから、とにかく効率的に仕事を進める必要がありました。
石井
同感です(笑)。「ホール&カンファレンス」チームも、プロジェクトの立上期は備品や設備の手配や準備、それが済むと今度は施設規約や運営マニュアルを作りに携わり、開業直前にかけては運営を視野に、スタッフ募集や教育、収益計画やプロモーション計画の立案などに移行していきます。開業は待ってはくれませんから、計画的に準備を進める必要があります。
陣内
利用者がテナント限定の「mot.」と、どなたでもご利用いただける「ホール&カンファレンス」では、用途もターゲットも違うけど、イチから施設の土台を作り、開業後は利用率向上に向けて動くのは同じ。だから仕事の面白さにしても、大変さにしても共通する部分が大きいのでよくわかります。
石井
ありがとうございます(笑)
荒木
いまでこそ、お二人とも複雑で多様な業務をコントロールし成果を挙げていますが、施設運営事業に取り組み出した当時は、試行錯誤の連続だったのでは?
石井
そうでしたね。いまではずいぶんノウハウが貯まって効率的に動けるようになりましたが、同じ「ホール&カンファレンス」でもビルの特性にあった準備が必要です。大規模プロジェクトでは特に、いち早くビルの特性を把握するため関係者との緊密なコミュニケーションが重要だと感じるようになりました。
ビル竣工前からヒアリングに注力したわけ

ビル竣工前からヒアリングに
注力したわけ

荒木
日本橋室町三井タワーは、建物が完成するかなり前から入居する企業がある程度決まっていました。なので入居予定のテナント企業のみなさんへのヒアリングに力を入れることができた。ビルをフル活用していただくには、こちらからビルオーナーにもテナント企業にも積極的に働きかけ、巻き込んでいく必要がありましたから。過去にここまで踏み込んでやったことはなかったかもしれません。
陣内
そうですね。準備期間中にテナント企業のみなさんのご意向や要望をうかがうことができたのは大きかったですね。「mot.」をどのように使っていただくかについて、早めに戦略を立てることができました。今では、フィットネス施設を福利厚生の一環として取り入れ、社員向けに利用補助制度を作ってくださったテナント企業もいらっしゃいます。開業前からアプローチできたからこその成果ですね。
石井
「ホール&カンファレンス」は、不特定多数のお客様にご利用いただく施設であることから、イベントの運営内容や施設の使い方についてさまざまなご要望を承ります。開業前からオフィスエリアに入居されているテナント企業のご担当者と関係性を築けたことによって、テナントの企業活動と共存できる施設を運営する指針を早い段階で作ることができました。
陣内
施設の使い方に対する要望は小さなことだったりもします。例えばコンセントの数だったり、位置だったり。でもそれって使う人の目線にならないと気づかないものですよね。こうしたディテールの部分の積み重ねが施設としての使い勝手に大きな差を生む。それを知ってるかどうかが重要だったりします。
荒木
ヒアリングの段階でテナント企業がこのビルに相当期待しているということが分かったしね。小さなことでもそれに応えようとみんな必死だった。
石井
綿密な計画を立てて、何度もシミュレーションをして、それでも分からないこともあります。そうなったときにPMとの連携が活きてくる。ビル経営で培ってきた当社のノウハウは本当に大切な資産だと改めて感じました。
荒木
もはや「箱」だけ作って「あとは自由にお使いください」で済む時代ではないですからね。建物や施設がどうしたら安全・安心かつ快適にご利用いただけるのか、稼働率をいかに最大化するかなど全方位に物事を考え、その効果を最大としなければいけない使命が当社にはありますね。そのためには、実際にご利用される方の声を聴くことはもちろん、ビルオーナー、事業者、ゼネコン、施設同士の連携が不可欠です。それを誰が主導すべきかといえば「大規模複合ビルがどのように使われるか」を熟知する当社以上の適任者はいない。私たちが積極的に前に出ることで大規模複合ビルの可能性はまだまだ広がっていくということだと思います。
石井
「mot.」にしても「ホール&カンファレンス」にしても単体で存在しているわけではないですからね。オフィスビル全体をマネジメントするビル経営のノウハウや経験があるからこそ、一体感があるビルになったのだと思います。
荒木
そうだね。2人も気付いていたと思いますが、お客様はもとより三井不動産の担当者が私たちの言葉に熱心に耳を傾けてくれましたね。これは三井不動産グループとして総力を発揮する中で当社への期待の表れだと思います。今後も関係者のみなさんのご期待に添えるよう、お互い努力していかなければね。
陣内
当社の役割がますます重要になりますね。
この先も魅力的なビルであり続けるために

この先も魅力的なビルで
あり続けるために

荒木
幸いなことに、日本橋室町三井タワーには日本経済を牽引する企業が入居してくださっています。今後は周辺のビルや施設、ご入居いただいているテナント企業のみなさんとも連携を深め、日本橋エリアの賑わいにつながる取り組みにつなげていきたいと思っているのですが、2人はどうですか?
石井
私は近隣のホールやホテルなどと連携して国際的な会議や展示会といった大型のビジネスイベントや、コンサートや演劇といった多くの人を惹きつけるエンターテインメントイベントを誘致することで、日本橋の街に賑わいをもたらすような施設にしていきたいと思っています。
陣内
私はテナント企業の人事・総務部門や健保組合などと協力して、「mot.」を健康経営の起点と捉えていただけるような新しい枠組みを作りたいですね。
荒木
建物は時とともに古くなるとしても、日々のメンテナンスと運用の改善、また、伝統の積み重ねや新たなチャレンジなどによって、価値・魅力を向上させることができます。それはオフィスビルの「経年優化」(※)という考え方ですが、個人的には、この日本橋室町エリアで自動運転やパーソナルモビリティーなどの世界最先端技術を活用した街づくりができたらいいと思うんだけど、どう思いますか?
陣内
それ、いいですね!
石井
面白いと思います! 日本橋のイメージが新しく生まれ変わるかもしれません。ぜひ実現させましょう!
※「経年優化」とは、時を経て価値を高めていくという三井不動産グループの考え方。