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過去の社員インタビュー記事
取材・撮影:2016年9月

より良い未来を技術の力で支える

オフィス事業推進本部事業三部新宿オフィス 村田 明由 2013年 中途入社 【前職】ゼネコン 現場監督

技術はどんどん進化していきます。それをビルの魅力に置き換えるのが私の仕事です。

建物との関わり方を変えたくて
ゼネコンから転職

工学部建築学科を卒業してゼネコンに就職しました。職種は工事を担当する施工業者に対し作業指示を出し、設計通りの品質・性能が出せるよう適切な施工がなされているか、また、安全対策やスケジュール管理は徹底されているかなど、定められたプロセス通りに工事が進行しているかどうか細かくチェックする現場監督です。在職中に携わった仕事としては、横浜エリアに建つ複数棟構成の高層マンションや、川崎駅周辺の再開発など、比較的大規模なものが多かったこともあり、仕事にもやりがいを感じていました。それにもかかわらず転職を決めたのは、建物との関わり方を変えてみたいという想いからでした。現場監督に求められる役割とは、あらかじめ決められた設計や仕様を正確かつ手早く具現化することにあります。さらに建物が完成すれば、次の現場でまた新しい建物を造ります。つまり「建てたら終わり」を繰り返していくわけです。しかし建物は計画から竣工までの期間よりもはるかに長い間使われ続けます。社会状況や周辺環境が変化すれば、建物の役割もそれに合わせて変えていかなければなりません。つまり「建てたら終わり」では、その歴史のごく一部にしか関わっていないことになります。私は現場監督として経験を積むなかで、もう少し長期的な視点で建物に関われる方法はないか、模索するようになりました。

異業種転職者を支える
バックアップ体制

三井不動産ビルマネジメントを選んだのは、まさにその思いを叶えられる会社だと感じたからです。前職では、建物という「ハード」を作る仕事でしたが、プロパティマネジメントは「ソフト」の力で資産価値を高める仕事です。とくに私が担当する業務には、オフィスビルの施設や設備の維持・管理、修繕対応に加え、経年変化を織り込んだ予防保全計画の策定、法規の改正に伴う対応策の検討、技術やトレンドの変化を踏まえた、提案力が求められています。現在は、新宿エリアに点在する13棟のオフィスビルを担当しているのですが、オーナーやテナント対応の窓口であるビル運営担当や工事を担当する外部の協力会社と歩調を合わせ、一つひとつ異なるビルの特徴を把握し、将来性を考えながら最適なビル環境を維持、向上させていくのは言葉で言うほど簡単なことではありません。しかし、教育研修制度は整っていますし、実務上の課題をサポートしてくれる上司や同僚、技術支援チームのバックアップもあります。求められているレベルはとても高いものの、比較的安心して仕事に取り組めるというのは、三井不動産グループの強さが表れているといえるかも知れません。

試行錯誤を重ねつつ、
期待に応えられる人材へ

とはいえ、入社当初は戸惑うこともありました。ゼネコン出身で施工知識が多少あっただけに、本来なら協力会社に一任すべきことであっても、自分のなかで「技術的に難しい」と、判断してしまうことがありました。それを知った上司には「オーナーやクライアントのために、ベストプランを目指すのがわれわれの仕事。難しいとわかりながらも何が最善でどうしたいかだけをつきつめればいい」と諭され、生半可な知識が本来すべき仕事の邪魔をしていることに気づかされたこともありました。また、テナントの担当者から、災害時の浸水や断水、停電対応などへの質問や要望を受けることも増え、テナントニーズの変化および多様化は随所で感じるところであり、世の中の流れに対応して私たちが担うべき役割の重要性を感じます。今後オフィスマーケットがどう変化していき、どういったニーズが出てくるか、受け身の姿勢ではなく、常に情報収集のアンテナを高く掲げ、これまでの経験則に縛られない柔軟な発想と自らの知識の拡充が必須であると考えています。そのなかで、コストの最適化を図りながらビルの経年優化に向けて取り組んでいかなければならないと思います。

業務内容について

オフィスビルの利用者であるテナントが求めるもの、それは快適かつ創造的なオフィス環境です。私たちの仕事はテナントがより生産的に仕事に臨めるよう、建物内の施設や設備を良好な状態で維持し、不具合の改善や保守点検業務の実施、中長期的な修繕・更新計画の作成、災害時防災体制の構築、清掃・警備の品質管理、またテナントの執務室内のレイアウト設計や工事の施工管理を行うことにあります。ビルの運営管理や付加価値の創造を技術面から支えていくことが、私の使命です。